ツイッターでの短歌連投と今日買った本とか

◇朝の9時30分前後、自作の短歌五十首をツイッターで連続して流す、というのを
 やってみた。テキストは、メールマガジンの「ちゃばしら」に寄せて、その翌年に
 名古屋で飛永京さんのピアノで組んだ朗読ライブの最後で詠んだ一連である。
 「ちゃばしら」のサイトは、軽く検索したが上がってこなかったし、
 自分のサイトではこのあたりの歌をほとんどアップしていない。
 ネットでの短歌の作者や読者もかなり入れ替わっているから
 未見の人も少なくないはず。
 ということで流して見た。
 50首流すのに18分ほど。
 少なくはない方に、いくつもの歌をフェバリットに入れていただいた。
 大変ありがたかった。見ていただいた、読んでいただいたとわかるから。
 朗読の時のようなドライブ感が出ていたのかはよくわからなかった。
 リツイートが一回もなかったのは、するほどの歌でもなかったとも言えるし、
 (して欲しかったとかではありません。念のため)
 前もって予告してそれだけの分量を流すと、「ツイート」とは違う何かに見えたのかも
 知れない。





◇膝の靭帯を、三週間ほど前に痛めた。
 このごろやっと普通に歩けるようになった。
 本屋にいって、買いたい本があったが、数店まわってもない。
 京都アバンティブックセンターは、歩ける距離にある本屋では
 品揃えの優れた棚を持っている。
 最初からそこへいけばよかったが、少しだけ痛めた足では遠かった。
 リハビリがてらいってみてやっと発見。

買った本




*『倉田比羽子詩集』現代詩文庫 思潮社

倉田比羽子詩集 (現代詩文庫)

倉田比羽子詩集 (現代詩文庫)




袋に入れてもらったPR誌




*「scriputa」 autumn 2012 号  紀伊國屋書店
*「春秋」 2012/10/月号   春秋社



 未見のときから、一段組のページがあると聞いていた倉田の本は、
 確かに途中の単行詩集のところが一段組。
 たぶん絶版の「新選・入沢康夫詩集」の「わが出雲」の部分よりは
 はるかに小さい活字。
 本屋内を少し長めに散策したため、結構疲れてしまったのでまだ未読。





◇「現代思想」や「at」とかのバックナンバーもあるこのアバンテイの6階は、
 建物が古いので天井は低い。京都に住む本好きにはそれなりの人気店。
 本好きの人はそれでも三月書房とかにいってはしまうんだけれども。
 御中虫さんの『関揺れる』も実物を棚ではじめて拝見。

関揺れる―御中虫句集

関揺れる―御中虫句集


 タイトできれいな本。フォントは肉厚。
 前島篤志さんらの俳句誌「俳句魂」に載っていた「番長シリーズ」
(「俺のこと番長と呼べオラ」等全部の句に「番長」という言葉が
  入ってる一連ね。)
 とかを私は想起。
 ただ「俳句魂」の人はやはり屈折知識階級系みたいなところがあったから、
 御中虫さんのようにあくまでも眼前の現実に言葉を投げつけてゆくような
 ところは全くなかった。
 「素逝のやつ句がうまくなつたとたんにあの世だ千鳥よ」の絶唱を含む藤後左右の群作
 「千鳥考」も、量と述懐主義的で思い起こされるが、あちらはあちらで何事かを放棄し
 ているような感があった。
 ひとのこころに残る句をこれからも御中虫さんは書いていくのだろう。



◇同じ棚に、「短歌・俳句・川柳」を三ジャンルまとめての一冊の入門・啓蒙書が
 あって、よくあるイエス・ノー占いのフローチャートで「あなたは短歌に」
 「あなたは俳句に」「あなたは川柳に」向いているという2ページに、
 よく思いつくものだ、と感心。

50歳からはじめる俳句・川柳・短歌の教科書

50歳からはじめる俳句・川柳・短歌の教科書

 ああっ! よく考えたらおれ五十歳じゃん!
 監修は、俳句は坊城俊樹、川柳はやすみりえ、短歌は東直子である。
 めずらしかったので印象に残った。
 そうは言うもののまだ膝も本調子ではないし、余計なところに力をかけるから
 眺めていると疲労がたまるので、
 「高柳重信読本」を棚から抜いて高山れおなのサロンパスみたいに
 スッキリする短い高柳論だけを拝読させていただく。
 ああ、スッキリした。




週刊ダイヤモンドのアップル特集は、アップルの企業としての凄みが出ていて
 扇情的な特集だけど、いいものはわるいものでもあるかも、とまた考えたりする。
 文藝春秋別冊か、「ことば」という大判のムックがあって穂村弘のインタビューがある。
 ここでまた穂村は「ハブられて」の歌をひいていて、ほむりんこの歌好っきゃなーと
 脳内関西弁で反応。
 穂村さんは「群像」で短歌原論みたいなことをずっとやっているから、
 言葉の音階が短歌の構造的な単音ごとの順序音階と一音一音結びついているような
 こういう歌に強く惹かれるのかも知れませんね。
 私はそんなに好きじゃないけど。
 「新潮」の最新号は新人賞で、わざわざ最年少受賞と表紙に書いてあるから
 中学生かそれより下かと思ったら19歳くらいの女性でした。



◇近くの喫煙可の喫茶店で珈琲。
 もらったPR誌をつらつら。
 紀伊国屋の「scriputa」は斎藤美奈子平出隆森まゆみ等結構豪華。
 速水建朗という人が東京と劇場版パトレイバーについて書いてたり。
 でも重機って実際使用されてる何割かはレンタルなんだよねえと
 口をはさみたくなったりならなかったり。
 でも平出隆の文章はフォントも文字組も落としてあったりとかなり
 気配りのあるレイアウト。森さんのとかはあとでじっくり。
 「春秋」は定価を線で消してあるけどこれは店員さんがしてるのかしら。
 こちらは私の知ってる執筆者はいなくて、中村元の生誕100年とか、
 山崎闇斎(グーグルIMEで一発変換だぜ!)についての文章が載ってたりします。
 春秋社はずっと経営とか大丈夫なのかな。



◇と、昔よく書いてた「買った本」的な日記をひさしぶりに書いて見ました。
 固有名詞いっぱい出てきて疲れたかも知れませんが本人も疲れたりします(^^;)。
 あ、でももう一冊、松岡正剛松丸本舗に関する本。
 手にとってパラパラ見て、うーん2600円、と思ったら久方ぶりにおおはずしの
 1890円でした。あれで1890円とはね。

松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。

松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。



             正岡