mixi日記再掲載(2)『アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界』の感想文

◇二回目。少し時期を遡るともうそんな本誰も読んでいないんでは、
 という印象があるこのごろ。もうこの本も古いという印象が。

◇感想文とつけるのは、「書評」と自分であんまりいいたくないなあ、と
 思うからですね。

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アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界

アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界

ーもしもし
ーなんか用かね。
ーいやミクシイに書いてたさぁ、
ーうん?
ー『アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界』っておもしろかった?
ーあー
ーあー
ーなんかあとがきでさ。
ーうん
ソーカル以前以後がどうこうとか出てきてさ。
ーうん。
ーそれってなんか『思想地図』とかいう雑誌かなにかで東浩紀と話してた
 らしいんだけど、そーゆーこと日常的に話してるひとほんとにいるんだー
 とか思った。
ーあんたたちだって佐太郎とか白秋とか日常的に話してるじゃない。
ーおれはしてないよ
ーどうかしら。あやしいもんだわ
ーなんだよそれ。でまあそういうこと話してて、何が書いてあるかというと、
 なんでヤンキーや暴走族は結婚がはやいのか、とか書いてあんのね
ーえー誰が話してるの?
ーいやそれは鈴木謙介のとこなんだけどね。
ーなんでそんな話してんの? で、なんではやいの?
ーいやーよーわからん(笑)。まあ奈良とかだとそういうのは公営住宅の問題
 だとおれは思うんだけどね。
ーそれもわかんないんだけど
ーいや、奈良だとヤンキーとかそういうのは、市営とか県営とかの住宅に親が
 住んでるとかいうのがあってさ。あと強制立ち退きで用意された住宅とかね。
 そういうとこだと家賃が高くても五千円とか一万円とかだから、入居がしや
 すいんだよね。
ーそんなとこぱっとはいれないじゃない。
ーいや、そこがうまいことできててね、なんか住んでるひとがまた住めるよう
 になってるんだよね。まあそこははしょるけど、そいで、家賃が安いから、
 なんかあいてるとこも親戚のひととかがずっと借りてて、おう所帯もつん
 だったらあそこに住めよ、とかなるんだよね。
ーそういうのってずっと借りてるの?
ーうん。三つぐらいそれがならんでるとことかは、なんか不気味だよ。
ーそれはいいけどなんで慶応でそんな話してんの?
ーいや、それはまあ「若者論」とかいうことの話の部分なんだけどさ、
 まあなんかソーカルとヤンキーとかはやっぱりちょっと次元が違う
 というか、そんな話しててホームレスにはコミットできてもヤンキー
 とか会社パラサイトとかにはなんか触れられないんじゃないかとかは
 思ったけどね。でもあと村上隆のとことかはおもしろかったよ。
ーえーあなたあんまり好きじゃないでしょー
ーあ、まあね。でも竹熊健太郎のウェブサイトに村上さんの工房のこととか
 書いてあって、そこでは商品として「現代美術」を提供する「企業」の
 峻烈さがあるとかみたいなのがあって、それ読んでからは結構好きだよ。
ーふーん。
ー「スーパーフラット」展のカタログかなにかに、「銀河鉄道999」の
 金子云々とかが書いてあって、それはなんのこっちゃとかは確かに
 思ったんだけど、あれだよね、ルネサンス期のイタリアの工房とかの
 雰囲気であのひとはやってるんじゃないかね、こういう箇所があってさ、
 えーと、ちょっと待ってね。
ー漢字は少なくしてね。あなたしゃべりだすと多くなるから。
ーはいはい。あ、ここ。



 『村上 /だからその『マクロス』がいかにパリ・モードに入っていくか
  というのを手助けできれば・・・
  菊地 /はい。
  村上 /世界平和が起こると思います
  (一同爆笑)
  村上 /いや芸術家ってね、何がやりたいかっていうとやっぱり革命を
  したいわけですよ』



ーあなたもね
ーそうそう




 『村上 /無血革命をすることは芸術家の使命であって、ジョン・レノン
  やったことで世界中が共鳴したわけで、スティーヴ・ジョブズでも何で
  も無血革命をやるためにああいうイクイップメントを開発しつづけるわ
  けじゃないですか。そのなかで、やっぱり僕が自分でできる無血革命は
  何かっていうと、それは『マクロスF』のようなースットコドッコイな
  ストーリーなんだけれどもー超弩級平和主義?
  菊地 /ハードコアな平和ということですね』




ー『F』なのかー。『7』じゃないんだー
ーそうそう


 『村上 /そういうすごい平和主義を、どうやってパリ・モードに合体させる
  かっていうところにテーマを持つと、ほんとにそう思ったんで、菊地さん
  の言ってることは正しい、と思ったんですよ』



ーそれって『マクロスF』みてないとわかんない話?
ーあーどうかなー。まあだいたいこんなんだけどね。あとモードの話とか
 いっぱい書いてあるよ。もちろん「輪郭」とか「顔」の話とかね。
ー顔大事だよねー
ーめちゃめちゃ大事だよねー。昔「かばん」の会にはじめてでたときにさ、
ーうんうん
ー植松大雄っていう歌書いてる男の子がいてさ、
ーうん
ーもー「アボットコステロ」のコステロそっくりなわけよ。おもわず胸倉
 つかんでさ「おまえコステロとちゃうんか! 走れよ!「お〜〜〜い、ア
 ボット〜〜」とかいってその辺走り回れよ!」とか言いそうになったよ。
ー胸倉つかんじゃだめよー
ーつかまないよ。でもだいたいコステロ顔だったよね、あのころの男の歌人は。
ー今は?
ーあー、どうなんだろう。わかんないや。
ーそうなんだー
ーあとがきに「現代音楽といったって、あんなの、70年代のブームだものね」
 とかいうのもあとがきにあって、これはただくんにプレゼントしたい。
ーすればー?
ーあと「そんなに日々大変なのかなあ」というのもあるよ。
ーそれはあなたへのプレゼントなの? 
ーどうかなあ。あー忘れてた。だからさ、浅田彰が時代をのたくって出てきた
 のが勝間和代だとしたらさ、
−話とぶねー
ーやっぱりこれって『GS』がのたくって出た本じゃないのかな。ほんとは、
 わかいもんにいかにジャズを聞かすか、ってことの本らしいんだけど。あと
 なんか二人組っていうの? 松浦朝吹とか山の手緑と誰かとか? なんか
 そういうのがありそうな感じの本だよ。
ーふーん
ーわるいー、じゃごはん食べにいってくるよ
ーなんかこういう電話してるといつもオンラインゲームで落ちるとき
 みたいに終わるわね
ーだってこれオンラインゲームじゃん
ーそうかー


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2012/10/1 付記


◇このころ架空の女の人が電話をかけてきて話す、という
 内容の日記をよく書いていました。他にもありますが、
 まあそういう風に書きたかったんでしょうね。


◇「はまぞう」で書影を紹介するのは、書名やその詳細を打ち込む手間が
 はぶけるからです。


◇あと「顔」のことですが、女性はともかく、その時々の若い男性歌人
  (などと言わないと昨日書いたばかりなのに書いてますが)
 の顔というのは非常によく似てるところがあるように私は感じます。 
 「町」の関西批評会などで会った方も、そうで、
 一度や二度あったぐらいでは全く見分けがつきません。
 あのとき話をしたのに正岡豊は私のことをさっぱりおぼえていない、
 と思われた方もいるかもですが、そういう方には誠に
 申し訳ありません。他意はないんですけどねえ。

 
村上隆の章のことしか書いてないですが、他のところはあんまり
 いまだにまだ読んでないですね。
 去年あたりの「美術手帖」で(『BT』が正式名称なのかな、今は)ベルサイユ宮殿での
 村上の展示作品が紹介されていた号がありましたが、
 その展示は、おおすげえな、やっぱ、と思いました。

               正岡