アルタビスタで会いましょう

夏石番矢のブログが一年も前に出来ていた・・・。
 知らなかった・・・。
 ・・・ま、いいか。


◇『官能小説家』おひるのマクドにて読了。
 合間にそこにおいてある朝日新聞を見ると、
 誰かの本のPRのところにちょっと太字で千野帽子さん推薦!
 と書いてあった。そうかー。
 「官能−」は最後まで読むのは少し息が切れるかな。
 中盤まではいいと思うんだけど。


◇えーと。
 休刊になってる「詩学」という雑誌がありますが。
 昭和50年代のころのバックナンバーで「詩壇の人事」という
 座談会の載ってるのがありますが、これは私はおもしろかったです。
 ちょうど中桐雅夫さんの『会社の人事』という詩集が出たころで、
 これにひっかけたのですな。
 あと数年前に女性の方が、近年の詩の朗読についてまとめのような
 少し長めの文を書いていましたが、これも納得する部分が多かったです。
 もしもバックナンバーを買うような方がいらしたら、参考までに。


◇かなり前に野樹かずみさんという方から、『路程記』という歌集を
 いただいた。驚くほど定型に対して端正で、何かこの日記に書いたようにも
 思うが、付箋がつけてあったのでいくつか歌を引いておきたい。


*眠る間もなお解かれぬ牛の綱わが髪は母に編まれていたり


支那ひとの首切る叔父の手に抱かれすやすや眠る幼女はわたし


*立ちつくすままじょうじょうと放尿の母の水路を照らす月光


*人間を きらいになる どうしよう 毎日 どんどん きらいになる


*いま母が死んでゆくその死についていつかゆっくり語りあいたい


*生きながら燃やされる子のためにさえ世界は沈黙したままだった


みどりごの眠りをいまは抱いてゆく蛍飛び交う銀河のほとり


               『路程記』野樹かずみ <歌葉:刊>


 端正さは、どこか「短歌」という喧噪の外に作者の立ち位置があるかに
 思わせもする。そういうところが、短歌というのはほんとに不思議である。