横道にそれるからだ


◇読んだ本


*『獅子座流星群』 小島ゆかり
*『中学生のための社会科』 吉本隆明
*「pen」 2007/1/1&1/15合併号 特集 茶の湯デザイン
*『ゲームの話をしよう3』 永田泰大


◇買ったけどまだ未読


*『被差別の食卓』  上原善広



 忙しいかと思ったらそれほどでもなかったクリスマス前の仕事のおかげで、
 仕事が終わっても余力があった。
 それで年末休館前の生駒の図書館へ。
 小島ゆかりのこの歌集はおもしろかった。
 でも確か「2in1」で読んだ第一第二歌集はほんとに印象が薄かった。
 去年、藤原龍一郎さんとイベントの前の昼御飯のときに、
 小島ゆかりは国民的な歌人になる、と言われて私は思わず
 「えー、そおかなー」と言ったんですが、
 それはあんな難しいものを一般の人は読まないだろう、という意味で、
 どれだけいいものを作っても(いい、ということの定義はおいといて)
 なかなかそういう「壁」は越えていかないと思うのですけどね。
 吉本隆明のこの本は、三月書房で今年一番売れた吉本本らしいんだけど、
 これが変な本!
 いやいってることはどれも今まで書いた本のなかからの再話っぽいんだけど、
 インタビュー本じゃないから、無問自説っぽい話というか、最初に宮沢賢治とか
 中原中也の詩の話、日本語の起源の話、国家の形態論の話と、脈絡があるといえば
 あるし、無理矢理まとめたような本でもあるけれど、
 溺れかけたいつかの事件のこととかはくわしく語っていたような。
 題名がこういうのだから、一種の教科書みたいなもんかしらと思ってたら、
 題は、「中学生」という「長く忘れない」傾向を持つものへの本だと自分で
 思ったのでこうつけた、というような前書きが。
 それは数行で見事な「中学生論」にはなってたけれど、この本自体はちょいと
 わかりにくい作りです。
 でも「詩の話」からはじめるのは、まっとうだとは思うんですけどね。
 「pen」はそれをよんでた椅子の前の棚にあったので、つい。
 「茶」の話はおもしろいですな。
 写真も含めて、ミーハー的な興味は
 かなり満たされるいい特集なんじゃないでしょうか。
 こんなの。↓


http://www.zassi.net/mag_index.php?id=183


 23日付けの聖教新聞には村上直之さんという方が「詩人choriのライブ」という
 文を書いていて、そこには先日の沼谷香澄さんも出ていた17日の京都の
 ライブのこともちょっとのってますが、
 (その日は泊まり仕事なので行けなかったんですよーごめんね沼谷さん)
 この人は裏千家の宋室の長男なんだそうで、まあそんなこともちょっと追記。
 『ゲーム−』と『被差別−』は本屋にはいってついふらふらと買ってしまったもの。
 『被差別−』はミクシイの立岩真也のコミュの管理人さんのホームページに、
 読書リストみたいなところにのってあったので。
 ほんとは『超・格差社会』という本を捜したんだけど、さすがに近所の
 本屋の棚には見つけられませんでした。
 「ゲームの話をしよう」は三冊にまとまっていて、これは最後の三冊目。
 出たのは去年の8月ですが、内容は2001年ごろまでのゲームに関する「雑談」で、
 XBOXもニンテンドーDSもないころの話ですが、
 何か「みなぎっているもの」があってとてもおもしろいですな。
 一冊目を昔読んで、二冊目は読んでないんですが。
 その一冊目には餅月あんことの「雑談」があって、
 「自分に自信がないとゲームはできないですよ」という印象的な彼女の
 発言があるのだが、そういう意味では、この三冊目も「根拠がない」とは
 また違う自分の「愉しみ」に正直な「自信」がよく出ているような。
 そういう「愉しみに正直な自信」というのは中空にすーと舞っていて、
 ふわっとおりてきたりするように思えます。
 そういう意味では、永田さん自身が「会心の出来」といってる
 いーです井出さんとの対談はいいですね。
 図書館で、「日常・共同体・アイロニー」〜自己決定の本質と限界〜
 (宮台真司仲正昌樹)という本の前書とあとがきをそれぞれ仲昌・宮台それぞれ
 が書いているのをそこだけ読んだのですが、ああいう文章からかなりのものを
 はぎとったら、こういう会話になるようには思えますねー。
 でも別に永田さんの方には付け加えるものは何もないんですけどね。
 「私は少なくとも娯楽小説とゲームは文化じゃないと思う」というのは、
 巻末の永田泰大宮部みゆきの対談での宮部さんの発言。


◇あと棚につっこんでおいたままの「映画秘宝VOL26」をひっくりかえしてたら、
 高橋ヨシキさんが「サウスパーク通信」でブッシュ大統領のパロディー
 (っていうのか!?)のテレビ「ザッツ・マイ・ブッシュ」の全8話の
 エピソードを紹介してたのを読んでさすがに感心。
 検索したけどDVDはないみたいですなあ。
 でも全8話分のあらすじだけでも2ページだけど全紹介してるというのは
 やっぱり「映画秘宝」ってすごいなあ。
 でも映画は見ないですけどね、ほとんど。
 テレビで見た「殺人の追憶」はいい映画だった、と思いますが。