ひたすらに別れしひとのいかなれば
◇雨。降ったり、やんだり。
◇岡井隆全歌集第三巻を、読みさしのところから読み始める。
いつ買ったのか忘れてしまった。
難波のジュンク堂で一万円以上本を買うと、送料無料で自宅配送
してくれるんだそうで、これを買ったときにレジで言われて初めて知った。
うーんそうだったのか。
さらに3Fのコーヒーショップで使える400円のドリンク券もくれて、
たいした金額ではないけれど、それはそれで気がきいてるよね。
◇書影をはまぞうで埋め込もうとして、既に四巻が出たことを初めて知る。
あーもう出てたのね。
三巻は「宮殿」のみ既読でほかは未読。
とはいえ、いざ読み出すとかなり退屈。
歌集などそうおもしろいとおもって読むもんじゃないよ、
おもしろいものがほしければマンガ読んだりゲームでもすれば?
という話もそれはもっともで、
だから私はゲームもやればマンガも読むわけである。
とはいえ、人間には「出自」というものがある。
結局私が歌をはじめたころは「前衛短歌」の「雰囲気」がまだ残っていたころで、
むしろ「前衛」とはその「雰囲気」のことだった。
というようなことは形を変えて何度も書いたのだが、
結局そこでは短歌といえど、作品内部のスペクタクルな情景や活字の表情、
反俗を求めるところに生じる扇情的な高邁性が、
いくばくかは残存していて、
つまるところ短歌は敷居の少し高い娯楽としても受け取ることが出来た。
それはそれでしかし私の「出自」であって、
いいもわるいもなく、変えようもない。
というようなことで私は自然に歌集におもしろさを
求めてしまうわけではある。
「まあそれはそうだけど、世の中には「通過儀礼」という言葉も
あることだし、そういうおもしろさを求めるこころは、
大人になればなくなるんじゃないの?」
と言われたならなんとしょう。
まあほんとのところはよくわからない。
ということで「α(は機種依存文字かな?)の星」「五重奏のヴィオラ」
などを退屈ながら読み進めて、途中でとまってしまってたわけよ。
ということで本日は「中国の世紀末」と「組詩 天使の羅衣(ネグリジェ)」
を途中まで。
先に「前衛」の「雰囲気」と書いたが、前衛短歌時代にはフェチとも
みまがう「中国コンプレックス」が底流にあることも事実で、
(それはもう「ハタから見た前衛短歌」というのは色濃く「知識人のモンダイ」
とクロスするところが大きいから。もちろんクロスしない、当時の
「前衛・社会性俳句」や「現代詩」にはこのコンプレクスはない。)
その「雰囲気」の影響は、私の自作の「中国も天国も」とかの歌にも流れている。
そういう意味では岡井の中国紀行の歌集は、独特の屈折に満ちていて、
これはこれで私にはおもしろかった。
「間投詩篇」の「鬼城にて」という詩もストレートな「夢のあと」感を
的確な言葉の中にとじこめているような。最後の詩行の語順をいじり
たくはなるけど。
◇「天使の−」は思ったよりも長い本で、作品を愉しむ前に
まだこんなにもあるのか、という思いが先にはたつ。
まあ全歌集だし余計だね。
まったく話題になることもなくなった
(まあそういう本は星の数ほどだが)
松浦/朝吹の「記号論」を少し思い起こさせるところがあるのは、
制作や刊行時が共有している時代の空気があるからか。
とはいえ「秋の町」で芭蕉に話(またはト書きか)が向かっていくのは、
日本の本読み(詩歌作者というよりはこう言いたいな)の共通の傾向を
見せられているような気になるのは、傲慢な読みというものか。
20年近くも前の本にいまさら何かを言うのも何だが、
谷川俊太郎が相手ならどうだったのかなと思ったりする。
過日の週刊「モーニング」の谷川俊太郎の詩は
家へ帰ったら
私もSFを読むのです
そして
夢の中で王に首を刎ねられる
というのが終結部の詩を雑誌で読んで以来、(いつのことや(笑))
詩の外の雑誌で谷川らしい詩を読めた気がした。
短歌が笹公人だったのはちょっと驚いたが、笹さんの
作品はほんとに編集業のひとに人気が高いのだなあと思ってしまった。
俳句はあるのかな。なくてもいいような気もするけれど。
◇仕事の合間には、馬場あき子の古典・花・のエッセイ
『かく咲きたらば』を開いたり閉じたり。
このたびはぬさも取りあへず手向山。ぬさ、ぬさねえ。
特別なことは書いていないが、ときには短歌の現在など
忘れたい。っていうほどは考えていないかな。うむ。
◇あとは「ファミ通町内会」の投稿者、今週は四コママンガはのってなかったが、
塩味電気さんの名前をついさがしてしまう。あと村主。
丁寧で稚拙なマンガにラディカルさを感じるのは
読む人の勝手な思い入れだが、
(ゆえに大人は子供ほど「怪傑ゾロリ」の単行本を楽しめないのだ
とぼくは思う)
どうしてか、それをシンプルと呼びたくなるのは。
あと愛読してるブルボン小林のゲームソムリエにこの前、
ワンダースワンの「ケロリンカン」のことが書いてあって驚き。
ちょっと前に買ってイージーモードをクリアしたりしてたのだった。
「ローグギャラクシー」を買いましたがまだ封も開けてません。
明日は岡井隆の四巻目を買ってきます。
あ、
- 作者: 千野帽子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もあれば買おう。これで400円のドリンク券はゲットだぜ。