ふっふっふ。地獄です。
ねえねえ、ディープインパクトが負けたの知ってる?
さっき松木くんのミクシイ日記で見たよ
あの高い本おもしろかった?
ああ、高いだけあるというかね。いやおもしろいというかなんというか
(『透明文法』『初學歴然』は未読、『驟雨修辞学』は図書館で借りて
一読したはずだが全くおぼえていなかった。
『透明文法』所収の、
やがてその葉かげに生るる金の實を夢に蜜柑の花散りにけむ/塚本邦雄
には、はあ、と思い、その普通さにこころを打たれたというか。
これも未見だった『汨羅変』の
童顔の酔漢が立ちふさがりてドスドスドストエフスキー! と叫ぶ/塚本邦雄
とかには何をどういったらいいかわからないわけで、
会話を模した歌なども荻原裕幸や穂村弘の歌の中のナチュラルな年齢設定の共有感を
無理矢理持ち込んだようで、ちょっとした疲労感があるように感じる。)
ふーん。よかったわね
まあね
それでフィギュアは見たの?
昨日のショートプログラムは録画しそこねた
なんで?
ビデオテープがみつからなくってさ
ハードディスクレコーダー買えばいいのに
もったいないよ。テレビそんなに見ないのに
フィギュアの短歌とか書かないの?
いや考えてはいるんだけど
書かないよ、っていうかと思った
「ダンシング・ケーン」ってタイトルでさ
技の名前? それ
いやこれは手品の名前。題が「ダンシング・ケーン」で小題が
「ウインターズ・テール」「スケーターズ・ワルツ」「ダンシング・ケーン」
ていうの
そういうのから先考えるのねー
あんまり歌書きたくないからねえいま
何それ
いやいや
青嶋さんの本のさ、ぴあの方
『ぴあワンダーランドspecial オール・アバウトフィギュアスケート』
http://iceblue.cocolog-nifty.com/figure/2005/09/special_103_840a.html
佐野稔のインタビューがのっててさ
あの団しん也みたいにしゃべる人ね
「ふっふっふ、地獄です。」というのがあってね
何それ
フィギュアをはじめる人っていうのは、いいとこのお嬢さんが、
お稽古ごとみたいな感覚ではじめる、っていうのね。それを
ほんとにスケートの世界に引きずり込むのがぼくらコーチとかの
仕事だっていってね。インタビューの人がその引きずり込んだ
先には何があるんでしょうか、って聞くのね。で、
「ふっふっふ。地獄です」っていっていかにスケートが
大変か話すんだけどね
そりゃ大変でしょうね
いやー短歌もそうだったかなーと思って
えーそーおー?
まあなんでも深みにはまるとそうじゃないかな
◇「文藝」吉田修一特集を少しだけ読む。
一冊も読んだことないひとの特集読んでもなー。
掲載されてる短編は、片岡義男と中村航が合体したような感じ。
朝日新聞では書評委員が今年のベスト三冊をずらりと。
読んだものでかさなったのは、『神狩り2』と『下流社会』の二冊のみ。
やれやれ。