過ぎゆく山々

◇ということで奈良市は市長辞職市議会解散というのがあったので
きょうは選挙。
笠井さんのところにいく途中には、丁度西にはるか生駒山、東にあかるく若草山が、
よく見えるところがある。
夕方は、鳥が多い。
ここいらはまだ、たんぼも多い。
かげりゆく、なつぞら
百合がゆれている。



◇買った本
*「俳句研究」1994/3月号
*『さようなら、ギャングたち』高橋源一郎 講談社



金曜日に生駒のキトラ文庫で。
俳句研究は川崎展宏の特集。


「昭和三十年代、私が米沢に赴任するまでの「寒雷」東京句会で、
句を「花鳥諷詠」と評されることは屈辱であった。いわゆる社会
性俳句の先輩たちは、独特の節まわしでカチョーフーエイと極(き)
めつけたものだ。」
               遊びと志 / 川崎展宏


というのは時代だよなあ、と思いながら読む。
あとこの号には、私も参加した俳句空間新鋭作家集として出した『耀』のことが
少しだけ書いてあって、ああ書評というほどでもないけれど、少しは
こういうものもあったのだなと思う。
矢島渚男によって高山れおなだけが「最も注目される作者」ということ
でひかれていたりする。
「さようなら−」はソフトカバーの単行本があったのでつい。
初版は1982年、この本は1984年の四刷め。
講談社文庫版よりはこっちの方がいいような。



◇「ユトリノ」の編集部から、雑誌終刊の案内が正式に届く。
前からメールでお知らせはいただいていたのですけどね。
売り上げが伸びないそうである。
「写真時代」みたいに創刊号13万部刷って、当日末井さんが本屋にいったら
店頭ですでに売り切れだった、てことはなかっただろうしなあ。
枡野浩一さんの「連載なんてぱっとはじまってぱっと終わる」という
言葉を思い出したりするわけですが、枡野さんほど執筆の経験はないので、
あんまり自分にあてはめるのはおこがましい気もする。